山形県司法書士会

契約におけるトラブルに関する業務 ― 司法書士ってなに?

 私たちは、電車に乗ったり、コンビニエンスストアで買い物をしたり、携帯電話を利用するなど、日常生活において知らず知らずのうちに様々な契約を結んでいます。
 しかし、時には契約をめぐってトラブルに巻き込まれてしまう場合もあります。
 また、知らないことにつけ込まれ、相手方から不平等な契約を結ばされることもあるかもしれません。

 私たち司法書士は、こうした契約トラブルの相談に応じ、解決のためのサポートをしています。


Q1.私の携帯電話に、「株式会社○○債権管理センター」という聞いたこともない会社から、「サイト運営会社から依頼を受けて、サイト利用料金滞納者に対して連絡をしている」とのメールが届きました。「放置すれば法的措置のための身辺調査を行うが、弊社は法的手続き、和解手続の代行を行っているため、早期解決のために連絡が欲しい」と書いてあります。

 しかし、私はそのようなサイトを利用した覚えはありません。また、送り先のアドレスをみると携帯電話から送ってきているようです。

A1.利用した覚えがない、身に覚えのない利用料金の請求については、支払う必要がありません。この業者は架空請求業者であると考えられます。一度支払ってしまうと、その後、何度でもメールが来ることがありますので、絶対に支払わないようにしてください。

 また、架空請求業者の1番の目的は金銭ですが、個人情報の収集も目的の一つなので、このような業者には絶対に連絡しないでください。


Q2.3日前、繁華街の路上で「美容に関するアンケートをお願いします」と声をかけられ、そこで無料の美顔エステを勧められました。営業所に連れて行かれ、美顔器を使用したエステをうけたところ、合計50万円の家庭用美顔器と化粧品を勧められました。長時間にわたって勧誘され続け、結局、月々1万円ずつ支払うということで、契約書に署名してしまいました。帰宅して冷静に考えてみたら、自分には不要なものです。化粧品も一箱空けて使い始めたのですが、自分の肌には合いませんでした。

A2. このようなキャッチセールスの場合も訪問販売にあたりますので、「特定商取引法」という法律にもとづき、クーリング・オフによって契約を解消することができます。 クーリング・オフは、期間(契約書の交付を受け取った日を含め8日以内)や購入金額(3000円未満)などの事情によっては、利用できない場合もあります。しかし、他の方法で契約を取り消す、または契約の無効を主張できる場合がありますので、あきらめずに、お近くの司法書士までご相談ください。


Q3.カード会社から届いた利用代金明細書に、身に覚えがない10万円の請求がありました。カード会社に確認したところ、オンラインゲームの利用料金とのことだったので、驚いて中学生の子どもに聞くと、無断で私の財布からカードを持ち出して、有料アイテムを購入したことを認めました。こういった場合でも、支払わねばならないでしょうか。

A3.未成年者が交わした契約は原則として取り消すことができるのですが、ご質問のような場合、次のようなポイントを踏まえて、取り消すことができるか否かが判断されているようです。
①使っていたパソコンやケータイの所有者は誰か
②ネット回線の名義人と使用者がそれぞれ誰か
③親がパソコンなどの使用や有料アイテムの購入について同意していたか否か
④子どもの年齢は何歳か
⑤ゲーム内で年齢について確認があったか否か
⑥クレジットカード課金の場合、番号を入力したのが親か子どもか など
ただ、こうした判断は難しいものなので、お近くの司法書士にご相談ください。

 なお、あらかじめ親子でゲームの内容や課金の仕組みについて確認し、話し合うことが大切です。また、大人は自分のスマートフォンや携帯電話、会員登録したIDを未成年者には利用させないとともに、自分のクレジットカードの管理について注意し、利用明細を毎月確認するようにしましょう。